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工学を学び,工学を超える

名古屋工業大学の受験生を応援するためのサイトです。AO長が作成しています。


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創造工学教育課程(定員100名)

GUM11_PH07002.jpg工学部での大学進学率は大きく上がってきています。名古屋工業大学でも75%近く,名古屋大学工学部や京都大学工学部では88%になっています。科学技術は大きく進歩しているので,学部の4年間の教育では専門家として不十分になってきています。大企業に入社する場合,学部卒だと営業や事務などの一般職にしかなれないことが多いのが現状です。大学時代に学んだ知識を社会のために生かすためには,今では大学院が必須になってきています。

この状況に対応するために,学部から大学院(修士)までシームレスな学びを実現する教育システムをスタートさせることにしました。それが,6年一貫の「創造工学教育課程」です。入学した人がそのまま大学院に進学できるということになっていますが,もちろん途中には審査があります。(要するに,成績不良者は駄目だよ!ということです。でも,名古屋工業大学に入学してくる学生は,結構真面目な人が多いので,まず心配はいらないだろうと思っています。) これまでだと,大学院進学のために5月末くらいから8月末まで院試のための勉強をしていました。結局,卒業研究の3ヶ月がそれに奪われてしまっている状況でした。この新しい教育課程は,その無駄をなくして研究に没頭できる体制になっているわけです。

情報技術はある意味ですべての基礎になっています。機械や電気,土木や建築で情報技術が必須なことはわかっていると思いますが,生命・応用化学や物理工学などの材料系でも,非常に重要な学びになります。逆に情報系の学生も,ハードウェアや素材についての知識が無くては,技術者としては役に立ちません。これまでの工学部よりも,幅広い視野を身に付けて,あらゆる状況にも対応できるエンジニアを育成することが,この教育課程の目標です。

LinkIcon創造工学教育課程の公式HP

【注意事項】
創造工学教育課程では,「建築士」の受験資格が得られるように申請中です。昔の工学創成プログラムが可能だったので,大丈夫だと思います。ただし,申請を何処までさかのぼることが可能かということになるので,在学生は厳しいかもしれません・・ 名工大でも,最近は建築士の資格を取る人は建築・デザイン工学科の半分くらいです。建設業界では建築士の資格がなくても,特に不利にならない時代になってきています。ハウスメーカーもそんな感じが出てきています。・・ですから,建築士の資格(試験の受験が可能でも,それ)だけではない所まで届くような,幅広い視野を持った「新しい技術者」の育成を中心においています。

「Selection から Matching へ」
受験生は大学と学科を決めて受験すると言う意味で Selection を行っているわけですが,大学側は入試の成績に基づいて合否を決める,すなわち大学も Selection しているわけです。受験の段階で自分のやりたいことがきちんと決まっている学生は良いのですが,あまり調べずに適当に選んで入学するとミスマッチが生じてしまいます。これは,本人にとっても大学にとっても不幸なことになります。センターを課さない推薦やAO入試では,Matchingを重視して合否を決めています。創造工学教育課程の一般入試ではSelection という点は変わらないかもしれませんが,下に述べる「メンター(世話をしてくれる教員)」が,入試(面接)の時点から参加することにより,Matching を反映させることができます。合否自体には個別試験の点数が大きく影響しますから,真のMatchingではないかもしれませんが,少なくとも入学後はメンターが常にMatchingを考えてくれるので,非常に恵まれた環境で過ごすことができます。このことは大切ですよ!

創造工学教育課程で育成する人材

GUM02_CG01008.jpgこの新しい教育課程では,これまでとは異なる人材の育成が目的となっています。皆さんは「イノベーション」という言葉を知っていますか?(おそらく聞いたことはあるかと思います。)一般的には「新しい技術の発明」と思われていますが,本来の意味は「全く新しい技術や考え方を統合して,新たな価値を生み出して社会に大きな変化をもたらす」ことです。これまでの工学部は確かに「新しい技術の発明」を常に行ってきましたし,その結果社会に大きな変化をもたらすことにも成功してきました。しかし,技術を中心にとらえてしまうと,自分の専門以外では何が新しい考え方なのかわからないという部分がありました。「創造工学教育課程」では,これまでよりも幅広い学問分野の知識を身につけて,真の意味での「アイデア・マネジメント」ができる人材を育成することを目的としています。ただし,幅を広げすぎて何の専門家だかわからない状態になってしまうと本末転倒になります。ですから,自分の基礎となる学問分野についてはきちんと学んでいきます。

これまでにない教育システムだけに就職に不安を感じている人も居るかと思います。結論から言うと,心配する必要はありません! 大学院では他の学生と共に研究を進めていきますので,これまでと同様に採用してもらえます。更に言うと,これまでに無い分野への就職も可能になると思います。真のイノベーションを会社に行ってから行っていく学生になって欲しいと心より考えています。

難しい説明だとイメージがつかみにくいですよね・・ 幅広く学ぶという例を示してみようと思います。

【Case1】 災害対策をしたい
防災というのは社会工学科環境都市のキーワードになっています。実際に災害が起きてしまった場合は,「減災」ということが大切になります。津波の警報が出たと行って,何処に逃げれば良いのか・・大切なことですよね。リアルタイムでその情報を各個人に送ることができれば,被害は最小にとどめることができます。そのためには,情報技術への知識が重要になります。経営システム系の「リスクマネジメント」をしっかり学んでおくことにより,被害を未然に防ぐことと減災を組み合わせて考えることができます。この学びをできるのは,創造工学教育課程でなければできません。

これからも,Caseを増やしていこうと思っています。



創造工学教育課程の教育の特色

GUM02_CG01028.jpg入学後,1年の後期から他の学生と共に,それぞれの分野の専門科目を履修していきます。他の学生と違うのは,幅広い知識を身につけるための「研究室ローテーション」,「工学教育デザイン科目」という授業があることです。研究室ローテーションは,短い期間ですが実際に研究室で実験を行ったり,ゼミに参加したりしていきます。機械系の学生が化学系の研究室で何かを学ぶと言うことは,他の学科ではできないことです。ぞじて,アクティブ・ラーニングの手法を大きく取り入れていく予定です。
 幅広い分野を学ぶというのは魅力的ですが,ちゃんと相談に乗ってくれる先生が居ないと消化しきれないことがあります。そこで,「創造工学教育課程」では学生2名に1人ずつ「メンター教員」と呼ばれる世話役の先生をつけます。(他の学生もクラス担任の先生が居るのですが,先生1人で20名以上の学生の面倒を見ることが多いので,遙かに手厚いサービスをうけることができます。) 

高学年になってからの大きな柱が「長期研究型インターンシップ」です。行き先は国内だけでなく海外もありますが,数ヶ月学外で研究に携わるというものです。これは必修科目になっています。これまで大学院入試の勉強のために3ヶ月間ほどの無駄な期間があったのが無くなるので,その期間を有効に利用しようというものです。基本的には大学院の期間に行くようになると思います。すると,大学院の授業の単位が足りなくなるのでは?と心配になる人も居るかもしれません。「創造工学教育課程」では学部生のうちに,大学院の授業単位の取得が可能になっています。6年一貫だからこそできるフレキシブルなシステムです。


















IMG_1567.JPGIMG_1567.JPGすごい名工大